HGUCから「ゼータプラス(ユニコーンVer.)」のレビューです。


『機動戦士ガンダムUC』に登場するモビルスーツ。
「グリプス戦役」時、地球上におけるエゥーゴの支援組織であるカラバが高性能機と航空戦力を同時に拡充させるべく、
当時エゥーゴのフラッグシップ機であったTMS《Zガンダム》を大気圏内専用機に再設計した機体。
《Zガンダム》背面部のフライングアーマー形状を改修し、ウェイブライダー形態時での充分な翼面積を確保させた事で、
大気圏内での長距離侵攻を主眼に置いた航空機並みの効率的な飛行性能を獲得している。
また、MS形態時にもデッドウェイトとならぬよう、《百式》のウイングバインダーを参考に、高性能なAMBACシステムとしても機能するように配備された。
しかし本機のウェイブライダー形態は空戦を想定していなかった為、戦闘機としての格闘能力は特筆すべきものではなかった。
宇宙世紀0096年現在、地球連邦地上軍の一部施設に複数の本機が継続配備されている。

ではレビューは下からどうぞ。




パケ横。



付属品一覧。

・ビームライフル
・ビームサーベル×2
・シールド
・変形用ボディ
・持ち手(右1)



プロポーションをグルリと。

UC版としては珍しくイラストがかなり野暮ったいので、キットの方がスタイリッシュなプロポーションになっています。






各所アップ。

関節や変形機構などデルタプラス系のフォーマットですが、キットは完全新規造形。
元々カラーリングが細かいデザインではないので、素組み+シール補完でかなり見栄えは良いです。
足りないのは白いダクト内部やビームキャノンのグレーぐらいでしょうか。
今回はマーキングシールも付属。
スタビライザーぐらいは貼ったほうがいいかなと思うのですが、貼り忘れたまま撮り進めてしまったのでそのままにしてます。



UCシリーズからキット化された可変機たち。

同じ差し替え変形でも、リゼルだけ頭一つ出ていた気がしますね。


以下、可動範囲の紹介。


首の可動。

根元が後方スイング、頭部がボールジョイント接続。

構造的に上は向けますが、下はほとんどいきません。
一番厳しいのは横で、顎が襟と干渉して襟内での可動域がかなり制限されてしまっています。
いちおう襟の上に上げる事は出来ますが、ギリギリなのですぐにジョイントが抜ける。



胴の可動。

腹部がボールジョイント接続。

単純可動なので可動域はわずか。
回転ですが腹部装甲が腰を挟む形になっているのでそのままでは全く回りません。
ジョイントを思いっきり引き上げればなんとか回るように。



肩・腕の可動。

肩は根元が前後スイング+軸接続、上腕が上下スイング+軸回転。
肩アーマーは上腕軸に取り付けられており、上下スイングのみ、外側が展開。
上腕の構造的に腕は90度も上げられません。

肘は単純スイング。

手首はボールジョイント接続。



腰部アーマーの可動。

リアが上下スイング。





下半身の可動。

股関節がボールジョイント接続。
このゼータプラスの関節の最大最悪の問題点。
ビームキャノンの基部とキャノンそのものが胴体やリアアーマーとの尋常ではないほどに干渉しています。
開脚などは出来たものではないです。
腿上げは「真上」には上げられるのですが、キャノンとリアアーマーの干渉で足を開きつつ上げる事は不可能。
せめて腿のロール軸でも備わってれば違うのですが、それすらもありません。
腿の下にそれらしい段差があるのだから、ここに関節を搭載してくれればいいのに。

膝は二重スイング。
ここは非常に優秀でピッタリくっ付きます。

足首は前後スイング+ボールジョイント接続、つま先がスイング。
前後のカバーはそれぞれスイング。
前へはあまり動きませんが、後と横はかなり優秀な方かと。


総評。
良く動くのは膝から下だけで、それ以外の関節はデルタプラス系特有の「とりあえず動く」というレベル。
股関節に至ってはこれでもかというほどに動きません。
あんな所にビーム・キャノンが配置されているというデザインがそもそも悪いので、キットだけの責任とは言えませんけどね。



腿は上がるので立て膝は容易です。



少しでも股関節の可動域を改善しようと試みました。
ビームキャノン基部と干渉する腰部をそれぞれガッツリと削り、ボールジョイントの受けに引き出し加工。
これで多少は開脚幅が広がりましたが、ビームキャノン自体の干渉は避けようがないのでこれ以上は無理。
あとはビームキャノンの接続方法そのものを見直すとか、キャノンを引き出せるように加工するなどの大工事が必要。


以下、仕様や武装の紹介。


ウイングバインダーはウイングのみがスイング。

スタビライザーは二軸可動。



ビームキャノンは前方へ向けられます。



ビーム・ライフル。

リゼル系の物ですが、今までキット化された物とは別物で新造されています。
単色成型で色分けはありません。
持ち手は右のみ。

グリップを畳んだ所にあるピンで、ウイングバインダーにマウント可能。



ビーム・サーベル。

二本付属。
サーベル刃は昔ながらの短い物です。
ビーム・キャノンからのグリップ展開ギミックは無し。



シールド。

赤い部分がシール再現。
前腕裏に取り付け。
これもデルタプラス系の悪しき慣習を引き継いでおり、ポロポロ落ちやすいです。


以下、変形の紹介。


変形に使用するのは胴体部分、肩アーマー以外。



今までのデルタプラス系と同じく、変形用のボディに各パーツを取りつけていきます。





まず引き伸ばしたスタビライザーとリアアーマーを取りつけ。
裏側には肩関節を伸ばした両腕を取りつけて、変形用の肩アーマーとフロントアーマーを取りつけ。
次にウイングバインダーをシールドを取りつけ。
脚部は膝を逆関節に曲げ、つま先を伸ばす。
脚部とビームキャノンを取りつけ、ビームライフルをマウントして変形終了。







ウェイブライダー。

これはデルタプラス系で最も褒められる点で、差し替えの多用により素晴らしい仕上がりです。
各部もカッチリ固定されているのでグラグラすることもありません。



ビームライフルなのですが、銃床のジョイント起こすことでゼータのようにスタビライザー部分にマウントも可能。
本来のA1型を意識したのでしょうが、わざわざこのライフルにそんなジョイントを付ける辺り、変な所だけこだわってます(苦笑


以下、適当にポージング。












大気圏内用の機体ということで、あえて接地ポーズ多めにしてみました。
股関節はろくでもないですけど、足首は割と優秀なので接地性は十分です。

スタンドでポージングをしたいので、早くC1型をお願いします(笑



ガンダム史上に残る迷シーン。

ゼータプラスの不名誉な代名詞みたいになっちゃいましたね(苦笑
劇中ではジェスタ・キャノンでしたが、買っていないのでジェスタで代用。


以上、HGUCのZプラスのレビューでした。

ガンダムUCに登場した恩恵か、Sガンダムから13年かけてようやくHGUC化となったZプラス。
デザイン自体の仕上がりは文句ないの出来栄えですね。
差し替え変形によるウェイブライダーの出来も素晴らしい。
ただ本キットを語るにおいて避けられないのは可動範囲の狭さ。
大まかな可動範囲はデルタプラス系なので慣れきってしまった部分もあるのですが、股関節の狭さは近年のHGシリーズでもダントツ。
デザインの責任8〜9割という感じもあるので、キットとしてはこれが限界なのかもしれませんけど。
可動はそこそこに、飾って楽しむというキットですかね。



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